セミナーについて
2020年7月28日(火)に開催された、大阪中小企業診断士会の会員向け研修で講師として登壇させていただきました。
テーマは、「トラック運送事業者支援のための業界基礎知識とスキル」
受講対象者は、大阪中小企業診断士会の会員ですから、もちろん中小企業診断士です。受講者の中には私なんかよりもベテランのかたもいらっしゃれば、診断士になりたての方までまちまちで、いろんな意味でやりにくいセミナーでした。
しかも、新型コロナウイルスの感染拡大防止のために、会場での受講だけではなくZoomでのオンラインもテスト的に並行開催。結果、大半の受講者はオンラインとなり、会場はソーシャルディスタンス完璧。私はマスクをしながらの登壇でした。
セミナー内容
セミナーのアジェンダと内容について少しだけ。
0.自己紹介
ベタでつかみのネタ的な自己紹介なのですが、ソーシャルディスタンス完璧な会場では辛いですね。
1.業界用語
どんな業界でもその業界独特のコトバがあるかと思います。もちろんトラック運送業においても様々な業界用語が。知っておいてほしいものから、知らなくても困らないけで「へぇ~」的なものまで、いくつか紹介しておきました。
まぁ、受講者は中小企業診断士の方々ですので、基本的にはコトバだけ紹介して、「後は自分で調べてね」って感じですが。
2.流通~物流~運送
私のコンサルティングの専門領域は物流です。その中にトラック運送業が含まれるのですが、物流の上位概念である流通について、そして物流について少しだけ学問チックな話を。
物流と聞いて「モノの流れ」と思っている方もたくさんいるので念のため。
3.運送業の外部環境
中小企業診断士が経営診断を行う際、基本的には環境分析として外部環境の分析を実施します。ですので、運送業界の外部環境について、統計情報基に簡単に説明させていただきました。物流二法から免許問題、ドライバー不足、そして運賃の話と。
4.運送業の働き方改革
働き方改革はトラック運送業だけでなく、全ての業界でのホットなテーマかと思います。ですが、トラック運送業界は、他の産業とはことなる点もたくさんあります。その点を少し紹介させていただきました。普通の労働時間をベースに考えるとトラック運送会社のことは理解できないですからね。「改善基準告示」なんてものがあるのを知っておかないと。
5.標準的な運賃
トラック運送業界が抱える課題を解決するために、時限的に制定された標準的な運賃。以前に当ブログでも内容について簡単に紹介させていただきましたが、支援するには知っておかないとねということで、紹介させていただきました。
そして、中小企業診断士であるからには、単に外形的な内容を知るのではなく中身も理解してねと、基の資料である国土交通省の資料をちゃんと読んでねとの無茶ぶりで。
でも、本当にそうなんです。中身を理解しないで「標準的な運賃」のタリフだけ独り歩きしたら元も子もないですから。
6.車両別原価計算
ここからが、肝心なHowToの部分になるのですが、正直、ちゃんと「標準的な運賃」の資料を読んでもらえれば分かるので、さわりだけ。
研修を受講した中小企業診断士からしたら前置きが長くて、ここのHowToが知りたかったのではないかと思うんですがね。でも、理解してしまえばそんなに難しくないですからね。
7.事例紹介
ここも受講していただいた中小企業診断士の興味があるところかと思います。運賃の見積の事例、海貨業者の事例、食品のルート配送、長距離中心のトラック別の収支管理など、実際の管理表を見て頂きました。
Excelの表なのでたくさんの数値があって大変そうだけど、実際はそこまで大変ではない、そこがどこまで伝わったかな。
約6万社のトラック運送事業者。私一人で支援できるわけもなく、トラック運送事業者を支援できる中小企業診断士が増えれば、トラック運送業の発展、ひいては日本経済の発展につながるのかなっと思いながらのセミナーでした。