「会議」と「日報」で組織は変わる!

 初めまして、ロジヤのコンサルタント、酒井亨です。今回が第1回目の投稿となりますが、どうぞよろしくお願いいたします。

 私は大手物流企業を定年退職後、思い立って中小企業診断士の資格を取得し、活動を始めました。物流のデパートと言われる総合物流会社の中でも特に幅広い分野を経験した「物流の何でも屋」です。サプライチェーン川上の素材産業から川下のBtoC事業者まで、海運・航空・トラック・鉄道貨物、国内物流と国際物流、商業貨物と引越貨物、等々多岐にわたる物流に関わってきました。こう書くと「では、専門は何か?」と尋ねられそうです。もちろん、私の専門は物流です。物流やその関連業界の全体を俯瞰できることで、個々の分野に造詣が深いコンサルタントとは異なる視点で知見を提供することができると考えています。

  もう一つ私の専門と言えるのが「組織運営」です。ロジヤと言えば物流ですが、ここでは組織の運営、すなわち「どうやったら組織はうまく動くのか」についてお話していきたいと思います。

組織構造・制度だけでなく組織運営の巧拙が成果を大きく左右する

 私は、会社勤め期間の3分の2においてマネジメントに携わり、数百人の社員から成る組織と一つの事業を預かったこともあります。東・名・大それぞれに営業拠点と現場を持ち、企画、品質、管理(人事・採用・経理・CSR等)を含む、ほぼ中堅企業に相当する組織です。この間、自身が関係した組織だけでなく、社内・社外(顧客、取引先など)を問わず多くの組織に接してきました。そこで目にしたのは、立派な理念やビジョン、戦略的な組織改編、目標管理制度、マーケティング戦略、デジタル化等々といった素晴らしい取り組みを行いながら、その効果が十分に現れていない組織が大半を占めている実態です。一方で、少数ではありますが、そういった取り組みを通じてしっかりと成果を挙げている組織が存在します。

 同じように取り組みながら成否が分かれるのは、必ずしも組織構造や制度といった仕組みに問題があるのではなく、むしろ組織運営の巧拙によります。実を言うと、私自身も組織運営において思い通りに行かなかったことや失敗した経験の方がずっと多いくらいです。だから、「組織はどうやったらうまく動くのか」ずっと考えてきました。そして、自分でもうまく行った、それも痛快なくらいと言えるのが「会議」と「日報」を活用した組織運営です。それまで私が経験してきた会議の進め方を抜本的に変えてしまい、営業日報を徹底的に活用するようにしました。その結果、2か月余りの期間で営業担当者による顧客訪問件数が7割以上増加し、私が責任者を務めていた期間中連続して増収増益を果たしました。自分の数少ない成功体験なのでよく覚えています。

会議と日報は組織運営の要

 人が学習するのと同様に、組織も学習し賢くなることができます。その基盤となるのがPDCA(Plan計画→Do実行→Check評価→Action改善)サイクルです。「会議」はPとCを担う、言わば「組織の頭脳」として位置づけられます。そして、現場によるDとAの結果が「日報」で情報として頭脳に吸い上げられます。このように、会議と日報は大変重要な役割を果たすことができる仕組みです。しかし、会議も日報も組織の中に組み込まれた制度の一つであり、ここでも運営の良し悪しが大きくものを言います。「会議を開催している」「社員が日報を書いている」だけで効果は生まれません。上記の繰り返しになりますが、会議を上手に運営し日報を有効に活用している組織は少数です。それも、非常に少ないのではないでしょうか?

 「(自慢ではなく)私が会議と日報をうまく運営できたのはなぜなのか、これを解明できれば多くの企業や組織の運営を支援することができる。」この数年間は、ずっとそう考えてあれこれと思考をめぐらしてきました。その思考の結果を今後のブログで披露していきたいと思います。まずは、次回以降の投稿で「日報」について何回かに分けて書くことにします。概ね以下の順で投稿することとし、次回は①を取り上げます。

 ① 日報がもたらす効果

 ② 社員が日報を書きたがらない理由

 ③ 日報を定着させるために経営者・管理者がすべきこと

 ④ CRM(顧客管理システム)は役に立つか?

今後もお付き合いのほど、よろしくお願いいたします。

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